
交通事故のあとに頭痛、めまい、吐き気が出ると、「むちうちだから様子を見てもよいのか」「頭を打っていないから大丈夫なのか」と不安になる方もいるでしょう。しかし、これらの症状だけで原因や重症度を自己判断することはできません。
首の外傷に伴って頭痛やめまいが出ることもありますが、頭部外傷など緊急性の高い状態が隠れている可能性もあります。事故直後に症状がなくても、後から変化することがあるため、症状と経過に応じた受診が大切です。
すぐに119番を検討する症状
次のような症状がある場合は、自分で運転して受診せず、119番へ連絡してください。迷う場合でも、急速に悪化しているときは救急要請を優先します。
- 呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとする
- 突然の激しい頭痛、または時間とともに強くなる頭痛
- 繰り返し吐く、強い吐き気が続く
- けいれんがある
- 片側の手足に力が入らない、しびれが急に強くなる
- 言葉が出にくい、ろれつが回らない
- 立てない、まっすぐ歩けない、見え方がおかしい
- 耳や鼻から出血・透明な液が出るなど、明らかな異変がある
上記は代表的な目安で、すべてではありません。本人が「いつもと明らかに違う」と感じる場合や、同乗者から見て様子がおかしい場合も、ためらわず救急へ相談してください。
事故後の頭痛・めまい・吐き気で考えられること
交通事故では、首や肩への外力に伴う外傷性頚部症候群などで頭痛やめまいがみられることがあります。一方、頭部を直接ぶつけた場合だけでなく、強い衝撃を受けた後には頭部・脳の評価が必要になることもあります。
症状の名前だけから「軽いむちうち」「疲れ」「寝不足」と決めつけることは危険です。医療機関では、事故状況、意識を失ったか、記憶が途切れていないか、神経学的所見、症状の変化などを確認し、必要に応じて画像検査を検討します。
事故直後は平気でも、後から症状が出ることがある
事故当日は目立った症状がなくても、数時間後や翌日以降に頭痛、めまい、吐き気、集中しづらさなどに気づくことがあります。「時間がたったから事故とは関係ない」と自己判断せず、いつから・どのように症状が始まったかを医師へ伝えましょう。
特に、高齢の方、血液を固まりにくくする薬を使用している方、出血しやすい病気がある方、頭部を打った可能性がある方は、その情報を受診先へ必ず伝えてください。受診の緊急度は個別に異なります。
何科を受診する?
| 主な状況 | 相談先の目安 |
|---|---|
| 意識障害、激しい頭痛、繰り返す嘔吐、麻痺など | 119番・救急外来 |
| 頭部を打った、頭痛・めまい・吐き気がある | 救急外来、脳神経外科など |
| 首・肩・腰・手足の痛みやしびれが中心 | 整形外科など |
| どこへ行けばよいか分からない | 受診予定の医療機関へ事前に電話相談 |
これは一般的な目安です。病院によって診療科や受入体制が異なるため、緊急時を除き、交通事故後であることと現在の症状を電話で伝えて確認すると安心です。複数の部位に症状がある場合は、医療機関内で必要な診療科へ案内されることもあります。
救急車を呼ぶか迷ったとき
緊急性が高い症状では119番が優先です。判断に迷い、地域で利用できる場合は救急安心センター「#7119」へ相談できます。消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」も、症状を選択して受診の緊急度を確認する際の参考になります。ただし、アプリの結果を理由に明らかな悪化を放置しないでください。
受診までに気をつけたいこと
- めまい、視覚異常、意識の変化があるときは自分で運転しない
- 可能であれば家族などに付き添ってもらう
- 症状が始まった時刻と変化をメモする
- 頭を打ったか、意識や記憶が途切れたかを伝える
- 服用中の薬、お薬手帳、持病の情報を用意する
市販の鎮痛薬等を使用してよいかは、体の状態や服用中の薬によって異なります。医師・薬剤師に確認し、薬で症状が一時的に和らいでも必要な受診を遅らせないことが重要です。飲酒、入浴、運動、仕事や運転の再開についても一律に判断せず、医療機関の指示に従ってください。
診察時に伝えるとよい内容
- 事故の日時、衝突方向、シートベルトやエアバッグの状況
- 頭をぶつけた可能性、意識消失、事故前後の記憶
- 頭痛の場所・強さ・始まった時刻・悪化の有無
- 吐いた回数、めまいの性質、歩行や見え方の変化
- 首や肩の痛み、手足のしびれ・筋力低下
- 抗凝固薬・抗血小板薬を含む服薬、持病、過去の頭痛
「今は少し楽だから」と症状を省かず、事故後に一度でも起きた変化を具体的に共有しましょう。
整骨院へ行く前に医療機関で評価を
整骨院・接骨院では、頭部外傷の医学的診断、CT・MRIなどの画像検査、診断書の作成はできません。事故後の頭痛・めまい・吐き気がある場合は、まず医師のいる医療機関で緊急性と原因を評価してもらうことが優先です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 頭をぶつけていなくても受診した方がよいですか?
強い衝撃の後に頭痛、めまい、吐き気などがある場合、頭を直接打った自覚だけでは判断できません。症状を医療機関へ伝えて受診先を相談してください。
Q2. 翌日から頭痛が出ました。事故とは関係ないですか?
症状が遅れて現れることはあります。因果関係を自分で決めず、発症時刻と経過を医師へ伝えてください。
Q3. 整形外科と脳神経外科のどちらですか?
首・肩・手足の症状は整形外科、頭部症状は救急外来や脳神経外科などが目安ですが、症状や医療機関の体制で異なります。事前に電話で確認しましょう。
Q4. めまいがあっても自分で運転してよいですか?
めまい、見え方の異常、意識の変化がある状態での運転は危険です。救急要請、家族の送迎、タクシーなど安全な手段を検討してください。
Q5. 救急車を呼ぶか迷ったらどうしますか?
意識障害、悪化する激しい頭痛、繰り返す嘔吐、けいれん、麻痺などがあれば119番です。それ以外で迷う場合は、地域で利用可能なら#7119や消防庁「Q助」を参考にしてください。
まとめ
交通事故後の頭痛・めまい・吐き気は、症状名だけで原因や緊急度を判断できません。危険な兆候があれば119番、迷う場合は公的な救急相談を利用し、症状が続く場合も医療機関へ相談してください。「むちうちだろう」と自己判断せず、事故状況と症状の経過を正確に伝えることが大切です。
関連記事
参考情報
- 日本整形外科学会「むち打ち症」
- 日本整形外科学会「外傷性頚部症候群」
- 総務省消防庁「全国版救急受診アプリ Q助」
- 総務省消防庁「救急安心センター事業 #7119」
- 日本神経治療学会「頭痛の診療ガイドライン2021」
※本記事は一般的な情報提供です。診断や受診の緊急度は個別に異なります。症状が強い、悪化している、判断に迷う場合は医療機関・救急へ相談してください。
内容が近い通院事例
関連する症例記事
交通事故後の流れ(読む順番)
交通事故に遭われたら、以下の順番でご確認いただくとスムーズです。
交通事故に関する情報をまとめて知りたい方へ
明石市交通事故治療.jpでは、事故直後の対応から保険、通院、症状、症例までをわかりやすくまとめています。



コメント